母のシニア向けAndroidスマホをiPhoneに買い替えてみた話

公開日:2022/12/13 06:55
最終更新日:2022/12/13 06:59

先日、母が今まで使っていたシニア向けのAndroidスマホ(au BASIO 2)をiPhone SEに買い替えました。
今回は、なぜスマホを買い替えたのか、メリットデメリットなどについて、記していこうと思います。

留意点

本記事内で、「デジタル人間」「アナログ人間」という言葉を使わせていただきます。これらの意味には決して差別の意図はありません。
簡潔に文章を記すための単なるの単語として捉えていただくようお願いします。

  • デジタル人間 ・・・ 生まれたときからデジタル機器に触れている人や、普段からデジタル機器に慣れている人
  • アナログ人間 ・・・ デジタル機器の扱い方がわからない・慣れていない人や、デジタル機器には親しみがなく基本的にデジタル機器がなくても生きていける人(他に楽しみがある人)


買い替えるきっかけ

僕は実家暮らしをしているのですが、あと1年少々で多分就職になります。いろいろと事情があり、おそらく1人暮らしすることになると思います。
母はアナログ人間ということもあり、今まで僕がいろいろ教えていたので、一人暮らしになると教えてくれる人がいないとぼやいていました笑

ちょっとでもそんな不安を解決できないかと考えたところ、iPhoneへの乗り換えをしよう!という結論に至りました。

「母」

一応、母はどういう人間なのかを書いておきます。

  • パソコンは一切使えない。(電源の付け方から分からない。キーボードやマウスなど使えるわけもない)
  • スマホ(シニア向けAndroid)は一応使えるし、なんなら最近はメルカリで安いDVDを検索するのを楽しんでいる。
  • ただし、自分で購入はできない。(知らずに買ってしまうかもしれないのでさせないようにしている、という方が正しい)
  • 上にもある通り、自分の行った操作に責任が持てない(なにを操作したのかがわかっていないことが多々ある)
  • リンク(URL)・アカウント・SNSなどという概念は分からない。(アカウントのパスワードを入力して~などという会話にはついてこれない)
  • いろいろと操作方法を聞いてくるが、なにがなんでも覚えようという気はない。(教わった操作をどこかにメモるなどは一切しない。なので何回も同じことを聞いてくる。(多分認知症じゃないとは信じてるw))
  • 最近のデジタル化に孤独感を感じている。(60代なのでなんとかスマホが普通に使える友達も多いらしい)
  • めんどくさい(たぶんこのブログに行きつくことはないけど一応文字は小さくねw)


なぜ泥(Android)から林檎(iPhone)に?

僕が、この記事で話したいことはあえてシニア向けスマホからiPhoneに乗り換えさせた理由です。
僕は、乗り換えるデメリットよりか、メリットの方が圧倒的にあると考えています。
その理由は以下の通り。

デメリット

  • 今まで使用していた使用感がガラッと変わる。
  • シニア向けに特化したスマホからの移行なので、確かに使いにくいところは少しある。


メリット

  • みんな使っているスマホ(特に日本は)


デメリットは、文字通りなので詳しくは説明しませんが、メリットについて詳しく説明していきます。

メリット:みんな使っているスマホ

iPhoneの使用率は2022年で47%ぐらいです。となるとAndroidは50%超なのでみんな使っているスマホは…と思った方。それは大間違いです。
iPhoneはさまざまな機種がありますが、外観、UIはほぼ同じです。
一方、Androidはさまざまなメーカーからさまざまな機種が出ており、代表的なものでもXperia、Galaxy、Pixel...。OSは同じなのでできることは大体同じですが、細かいところがちょっとずつ違います。
特に、母が使っていたBASIO2 はシニア向けということもあり、普通のAndroidと画面が全く異なります。

↓ BASIO 2 こんな感じ(画像元:https://kakaku.com/keitai/smartphone/model/M0000000463/
image

確かに使いやすいし見やすいです。
しかし、このスマホいろいろと難点があります。

スペックが低い

シニア向けで軽く見ているのか安くするためなのかそこまでいいCPUは積んでいません。おそらくメモリも少ないでしょう。
そしてストレージが少ない。16GBしかありません。ただでさえAndroidはOSで持ってかれるので使えるのは10GBちょっとというところでしょう。
ちょっとサイズの大きいアプリやキャッシュを使用するLINEなどを使っているとすぐに容量がなくなってしまいます。外部SDも入りますが、基本的にアプリは外部には保存できません。
写真や動画の保存先だけになります。

新品の頃はいいです。
問題は4年ほど使ったとき。Android特有?のゴミファイルなどで動作が重くなり、母のスマホは現時点でも「アプリ履歴」が機能しなくなっています。
他に検索するにしてもLINE開くにしてもカメラを起動するにしても、動作がもっさりしてきます。アナログ人間は結構イラっとくるはずです。

使い方がわからない

シニア向けスマホは設定画面も普通のAndroidとは違います。簡単にしてくれているだと思いますが、これが仇となって他の人に使い方を聞いてもほとんどわかる人はいません。
恐らく、ショップの人もすべてを知っているわけではないでしょうし、行くのも面倒くさいです。(特に地方は。)
電話でもサポートを受けれますが、肝心のスマホは通話に使っているので声を聞きながら順番に操作、というのも難しそうです。

アップデートが提供されない

Android特有の問題ですね。どの機種にしても端末が新しいバージョンに対応していても、キャリア側がアップデート用のデータを準備する必要があるみたいです。(カスタマイズが入っているからかな...)
そのため、人口が多い機種でないとアップデートが提供されません。僕が昔持っていたSony のXperia XZでさえアップデートできなくて落ち込んだ経験があります。
シニア向けスマホだと特に顕著で、初期バージョンからほとんど変わらないと思います。
そのため、新バージョンにしか対応していないアプリはインストールできなくなることも。
アナログ人間(だけでなく)からすればアプリがこの世に存在すれば使えると思っていることも多いので、「このスマホだと使えないんだー」というのも理解しがたい状況になります。
みんな使えてるのに~と孤独感を感じることもあると思います。

おしゃれできない

スマホケースは皆さん使っていると思います。しかし、シニア向けスマホは形が特殊です。
そのため、きちんと合うケースは純正のお高くて単色のものしかありません。
他のケースにしようと思うとフリーサイズのものになりますが、カメラの位置を考慮すると使えるケースが制限されてきます。
せっかく勇気を出して”スマホ”というものに手を出しても、好きな外観にさえもさせてもらえない。げんなりしますね。

機種変更の壁

機械は壊れるものです。壊れないにしても傷んでくるものです。特にバッテリーとか。
そうなると機種変更になりますが、同じ使用感を得たいならば同じシリーズを買うことになります。すると購入機種は一択ですね。
さらに、キャリア側の採算が合わないと同じシリーズすらない場合もあるでしょう。
すると別機種に変更しなければならなくなり、また1から操作方法を覚えなくてはなりません。
デジタル人間からすればなんてことないですが、アナログ人間からすればボタンの位置が少し変わっただけで、どうすれば何ができるのかわからなくなります。

iPhoneで考えてみる

上で挙げたシニア向けスマホの問題点について、iPhoneに置き換えて考えてみます。

スペックが低い...わけがない

iPhoneはスペックがものすごく高いです。下手すると高級スマホと言われてしまうほどのスペックですが、
同じスペックをAndroidで実現しようとするとiPhoneよりも高くなってしまう場合もあります。
容量も十分です。昔は16GBもありましたが、今ではiPhone SE3の最低ランクでも64GBはあります。
外部SDなどは使えませんが、普通に使っていてiPhoneで容量が足りなくなったというのは聞きませんね。(写真をよくとる人は除くけど)
さらにさらに、何年使っても動作が重くなることはほぼないです。現在最新アップデートが提供されている一番古い機種であるiPhone 8(2017年発売)でさえ、
アナログ人間は最新機種との違いが判らないくらいぬるぬる動きます。なんならiPhone 6とか7を現役で大切に使っている人も多いのではないでしょうか。

コスパでいえば、iPhoneの廉価版?であるiPhone SEシリーズは、最新機種(の一個前とか)のスペックを維持しながら最安で6万ほどで手に入ります。
それでいて最新機種と同じ使用感、スペック、動作をするので長期的に見てもかなりコスパの良い買い物であると思っています。
iPhoneは高いから~という人は、今のことしか考えていません。下にも書きますがサポートのことなどを踏まえると長く使えるスマホとなっています。

使い方がわからない...ことはほとんどない

今やiPhoneはスマホを使っている人の半分が持っている機種です。使い方がわからなくても単純計算で2人に聞けば教えてもらえるというわけです。
ショップやサポートセンターに行かなくても家族や親戚、近所の人など気軽に話せる人に聞くことができます。お手軽です。

アップデートが提供されない...ことはほぼない

Androidの場合キャリアがデータを用意しなくてはいけなかったりしますが、iPhoneの場合Apple公式から直接アップデートが提供されます。
現に2017年発売のiPhone 8まで最新バージョンに対応しており、サポート終了したiPhone 6や7であってもほとんどのアプリが動作します。(iPhone 5だと最近きつくなってきましたね笑)

Androidの場合、アップデート後に見た目が変わってしまうことがありますが、iPhoneはそんなことはほぼありません。初代のiPhoneの画像調べてみればわかるでしょう。(デフォルトの背景はかっこよくなってるね)

おしゃれできない...わけがない

天下のiPhoneですよ?スマホケースがないわけありません。なんか知らんけどみんな使ってるiFaceも使えますし、他も豊富にあります。
iPhone SEシリーズはさらにお勧めしますね。というのも、iPhone 7,8,SE2,SE3とすべて同じケースを使えます。
昔発売されたものから、最近発売されたものまで幅広いラインナップから選ぶことができます。ケース選びだけで楽しめます。

機種変更の壁...なんてない

何度も言っていますが、iPhoneは機種間で使用感が同じです。
違うのはカメラのスペックやCPUの性能ですが、アナログ人間が使う範囲であれば違いがわかることはないでしょう。
バッテリーも一般のAndroidよりも普通に持ちます。(特にProシリーズなら普通に使っても2日間ぐらい持つらしい)

泥から林檎に変更する際の注意点

まぁ一応デメリットとも言いますが、一回割り切ってしまえば特に問題になるものでもないので注意点として書いておきます。
Androidを使う機関が長いほど、今から述べる問題は深刻になる(可能性がある)ので早めに乗り換えておくことをお勧めしておきます。

  • 操作感が違う。これは慣れてもらうしかないので、できるだけ若い年齢の方が良いかも。一度慣れればあとは天国。
  • LINEのトーク履歴が引き継げない。なぜLINE側が対処しないのかは不明ですが、現時点では多くても2週間分しか引き継げません。(これもLINEのバージョンによるので、ちょっと古い機種だとこれすらできないかも。母のBASIO 2は無理でした。)
  • メール・SMS(Cメール)の履歴も引き継げない(少なくともauは)。引継ぎアプリを使いましたがメールやSMSはだめといわれました。もしかしたら回線交換後にバックアップを行ったのでそれが原因かもしれません。
  • 写真や動画はauの引継ぎアプリで引き継げました。
  • 時間、日付が見ずらい。上のBASIO2の写真をみてくれれば分かりますが、シニア向けスマホは時間と日付がでかでかと表示されています。iPhoneでもロック画面や、最近出たガジェットのアナログ時計やカレンダアプリの表示を使うことで再現できますが、BASIO2 と比べると大分みにくいです。(これも慣れですね)
  • 検索バーがない。シニア向けスマホに限らずAndroidにはGoogle検索バーがあることが多いです。アナログ人間には、アドレスバーやタブという概念を知るのは難しいので、検索バーに入力するだけで検索できるのは便利です。一応、iPhoneだとGoogleアプリのガジェットを使えば検索バーではありませんがGoogleアプリの検索欄にフォーカスを合わせてアプリを起動させることが可能です。


林檎に変えた思わぬメリット

これまでは、予想できたメリットについて述べました。あるていど意図したとおりの恩恵を感じることが出来ているとおもいます。(少なくとも僕は)
ここでは、思わぬメリットを述べていきましょう。

  • 不要なアプリをホーム画面から消せる。BASIO2はレイアウトががちがちに決まっていたので要らないアプリも沢山表示されていました。アナログ人間にはどうも不要なものまであるのはどうにも理解しがたいようです。iPhone(他のAndroidもですが)ホーム画面をカスタマイズできるので、本当に日常使うアプリのみを置いておくことができます。もし新たに必要になったら、使える人に追加してもらえばいいですね。
  • Apple CarPlay。最近新しいカーナビを使う機会があったので使ってみたのですが、めちゃくちゃ便利ですね。これ。アナログ人間は車で音楽を再生するときに、スマホで操作しないと音楽が聴けないのは面倒だと思います。Apple CarPlay対応のナビであれば、ナビの画面から直接操作できるので、いままでCDやUSBをナビにさして聞いていたという人も手軽に使えると思います。


すずとも流ベストプラクティス

AndroidをiPhoneを買い替えるのは言わずもがな。
他にもアナログ人間を支えるために様々なサービスを駆使してみましょう。

Amazon Photos

アマプラに入っていれば無料でクラウド上に写真を保存できるアプリ。
iPhoneは容量が大きいので写真で埋まるということはあまりないかもしれませんが、もし埋まってしまった場合、アナログ人間が自分でパソコンにバックアップするのは難しいですし、するにしてもデジタル人間が近くにいないとバックアップはともかく、写真を見ることすらできません。(パソコン触れないので...)
Amazon Photosでクラウドに入っていれば、「消しちゃえばいいよー」と気軽に言えます。もし写真が欲しいといわれたらAmazon Photosアプリから見せてあげましょう。

昔はGoogle フォトという無料でクラウド上に写真を保存できるサービスがありましたが、いまは有料プラン(無料だとGoogleドライブの容量に引っかかる)になっています。
Googleフォトは何もしなくても自動でバックアップも出来たので素晴らしかったのですが、Amazon Photosはその妥協案ですね。
ただし、Amazon Photosはアプリを起動しないとバックアップされないっぽいので、写真を本体から消す前には注意が必要です。

Google コンタクト

Googleのアドレス帳サービスです。
最近はLINEが主流になってきてアドレス帳交換とかいう儀式はなくなりつつありますが、アナログ人間同士のつながりにはメールや電話のみという相手も多いです。
いざ、新規登録しようと思っても、アナログ人間はやり方がわからないか忘れているかがほとんどです。
その時にGoogleコンタクトの出番です。
デジタル人間が代わりに追加してあげましょう。といっても直接スマホをいじる必要はなく、パソコンから追加してあげたい人のGoogleアカウントでGoogleコンタクトを開き、追加するだけです。
この方法だと遠隔でもスムーズに新規登録ができます。

どっちにしろアカウントやパスワードはデジタル人間側が管理しておいた方が良いので、このくらいはしてあげてもいいのでは。と思います。

注意点は、iPhoneの連絡先できちんと連携してあげないとiPhoneから見れないので、初期設定だけ頑張りましょう。

文字の大きさ、拡大

アナログ人間がiPhoneを敬遠する理由の一つに文字が小さいというのがあると思います。
しかし、今は文字の大きさを大きくしたり、「拡大」といってアイコンなどを全体的に大きめに表示してあげる機能があるので、そこまで問題にならないと思います。

逆に文字がでかすぎるスマホは、1画面に表示される文字が少なくなってしまい、たくさん操作(スクロール)をする必要が多くなってしまうので逆に見づらいです。
文字は大きく、かつ1画面である程度読み取れる程度の大きさが妥当でしょう。

おわりに

こんなところですかね。
iPhoneはスマホの元祖というだけあって、OSの作りやUIがしっかりとしています。
最初はシニア向けスマホもいいとおもって母におすすめしました(その時は僕もAppleアンチだったw)が、長い目で見てみるとiPhoneの魅力は計り知れないです。

もちろん、AndroidはAndroidでいいところはあるのですが、アナログ人間がその恩恵を感じることはほぼないでしょう。
iPhoneは初心者向けであるかつ、上級者にもお勧めできる素晴らしいスマホだと思います。


おそらく、こんなブログを読んでくれている人はほぼいないと思いますが、もし自分の両親にスマホを進めるときの参考にしてください。

おわり。